カイデックスシースも特殊形状です。プレス型と二つ折型の中間型、といいますか、ナカゴを使用して厚みを確保した後、プレスを掛けます。
サイズが大きすぎてプレスマシンに入りきれないので、半分ずつプレスします。オーブンにも入りませんので、ヒートガンで暖める係と、
プレス係の、2人掛かりの作業です。
基本的に背負い型のシースで、ベルトを架け替える事で腰に装着可能です。シース裏面中央にあるバックルがその為の物ですが、無くても
装着可能なので、セカンドモデルから廃止されております。腰に配置した場合は個人使用も可能ですが、背負った場合、抜く事は出来ても
しまうのは困難を極めますので、他の大型ブリーチングツール同様、後方バディーが使用する為のキャリングシース、といった趣が強いです。

ちなみにこちらはセカンドモデル、オーダー主の希望により製作した熱硬化性樹脂製のフルグリップ。

ハンドルはフロントパート、グリップパートの2段構造になっており、フロントがG10ないしカーボンファイバー、グリップが特殊ラバーとなっております。
カスタムラインの、PGSシリーズの魁になったハンドル構成です。ハンドル自体は少々長めにとってあり、一柄半、から二柄、といった所でしょうか。
細かい作業時にはフロントを握り、振り抜く場合には衝撃を緩和してくれる後部ラバーグリップを使用するような設計です。

戦術鉈 竜鎚

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こんなのがあったりします。
・・・やっぱり小さいのから作ってみました(笑)

ブレード部分は6oD2鋼とガラス短繊維充填樹脂との複合刃体です。一号機(?)はG10でしたが、強度とコストを鑑みて、
セカンドモデルから変更になりました。複合方法も、重量による衝撃で接合部分の破損が生じる惧れが出た為、サードモデル
からボルトオンタイプに変更しました。(写真はファーストモデル、ナイフマガジン掲載予定の物がサードモデルです。)
刃角はかなり鈍角になっており、鉈というより打棒に近い刃角になっておりますが、刃付けはされております。ブレードの上面
にあるフック状の抉りは、一点集中で衝撃を伝える為のもの。ブレードの穴はあまり意味を成さない重量軽減用・・・。                   

MONTHLY INTRODUCTION

10月9日 追記

更新遅れておりますが、ナイフショウ後に予定しております。・・・スイマセン。
で、今回の関アウトドアナイフショウに出展予定の中に、

全長 570o
刃長 350o
6oD2鋼+3oガラス短繊維充填樹脂、合計刃厚12o
ベースハンドルカーボンファイバー、グリップ特殊ラバー
総重量 2.3s

本来なら全モデル解説すべきなんでしょうが、なかなかそこまで手が回りませんもので。
で、第一回として取り上げるのはこちら。

以上、今月は 戦術鉈 竜鎚 の御紹介と解説でした。
次回更新は
10月初旬予定です。

何だかんだでかなり無茶なモデルに仕上がっておりますが、高額な部類にもかかわらず引き合いが多いモデルです。まぁ、こんな無茶な物
作るメーカーはいないでしょうから、何と無くは解りますが。
因みに当初の計画では刃長1mぐらいで刃付け無しという更に無茶な物でした。機会があればやってもいいかなとか考えております。
逆に軽量小型の実用モデル、というのもやってみたくはありますが、やはりまた無茶方向に走る可能性は高いのではないでしょうか。

このページでは毎月1モデル、詳しい解説をまじえて紹介してゆく予定です。

開発動機としては、ただ単純に大きいのが作りたい、というだけでした。たまにこの手の規格外品を作りたくなります。ナイフショウでの看板代わりと申しましょうか。かなりの重量ではありますが、重力のベクトル方向をコントロールすることで振り回すぐらいの事はできます。たぶん。
ブリーチングツールとしての用法を考慮しつつ設計しておりますが、このモデル、デザイン画が有りません。書けるサイズのスケッチブックが無かったので、鋼材に直接アウトラインを書き込んで製作しております。その為、この手の大物にしては珍しく3本ほど製作致しましたが、そのどれもが微妙に違う、という事になっております。