スイッチシステムは、ハンドルを握り込む事でLEDが点灯するものです。これはハンドル材の撓みを利用したもので、
実験中偶然できたものです。外観にスイッチパーツが露出せず、スイッチポイントを限定されない為、これはよいとなった
のですが・・・。ショウ会場にて、LED内蔵に気が付かない御客様続出で、急遽ハンドルを外した物を展示する事態になりました。

第三期・進展

第二期・展開

PROCESS OF DEVELOPMENT

何故作ったのかと問われれば特に答えは御座いません。強いて申さば「面白そう」だからとしか。
できる「技術」が有り、「面白そう」ならやってみるが一興、という訳で。ただし其処はメーカーの業。
ただ作っても面白みも悦びも有ったものじゃ御座いません。
「ただ光りゃいいってもんじゃねーだろう」とは開発・池田の弁。まさしく然り、
もっと光量を、もっと実用的に。実用できずに何か面白いか。お客様が喜ばずになにか悦びか。

かくて開発は苛烈を極め、LEDの光は昼夜を問わず工房内を照らし上げる・・・そんな開発の足跡です。

“グラウィス”

当時のナイフショウPOP

“ナイトメア”

“ヴァイパー”

“グリレ”

 アブソリュート動画

“グラウィス”

“テンペスト”

“ピークス”

“ビーネ”

この頃からRID銘柄指定で購入してゆく御客様が現れ始めましたが、まだまだ国内では売れず、
代わりに外国の御客様が鼻息荒く購入してゆく構図が現れました。

そして、その可能性に最初に着目した1人が、自衛隊員に格闘技を教えているI氏でした。
彼はピークスを見て、それが格闘に応用できる事を示唆し、更なる発展を要望してきました。

ちなみにこのブレードスタイルの貫通力の高さから、”グラウ”シリーズも発生しており、記念すべきモデルとなりました。
この時開発されたVデバイス”ブリューナグ”は、よりブラッシュアップされLLCシリーズや2Hモデル、小型化されKタイプにと
現行モデルに繋がって行きます。

丁度その頃、如何なる運命の悪戯か、先のショウ以来実験と検証を続けてきた大光量用昇圧基盤、Vデバイスが完成しました。本体加工技術の経験蓄積によってバッテリーもCR2リチウムバッテリーを使用可能となり、それを更に昇圧させる事で、必要十分な大光量を産み出せます。ブレードは光量を最大限に生かせる様、ブレードセンターを抉り、6灯のLEDを配置する為身幅は広くなり、特異な形状となってゆきます。こうして、発案から僅か一ヶ月あまりで、後のLLCシリーズの基礎たるXLLC”アブソリュート”が完成します。

 パルス発光時動画

結果、販売本数は少なかったものの、手応えを感じることはできましたが、やはり大半のお客様は「?」といった
表情でした。まぁ当然かとは思いましたが、受け入れられるまで時間がかかるな、というのが当時の率直な感想でした。
この時、遊びにきていたナイフマガジンでお馴染みの長谷川氏に、「光量がたりないな・・・」とボソッと言われ、
何かのスイッチが入った池田が大光量基盤の開発に力を注ぎ始めます。

XLLC“アブソリュート”

第一期・黎明

各種発光パターン

続いて臨んだ平成18年の関アウトドアナイフショウ。基本設計は同様ながらも更に小型化を目指し、限界に近い
サイズダウンに成功しました。ビーネ、ピークスがそうです。又、LEDエクスチェンジシステムを組み込んだテンペスト
も発表しました。1灯ながら赤色はもとより白、青、黄、緑、はてはIR(インフラ・レッド-赤外線)まで、差し替えて点灯
できるモデルでしたが、一度も説明しないまま開場早々に外国の方に購入されてしまいました。
多分、そんな物があった事誰も知らないんじゃないかと思います。

スイッチシステムは前回のハンドル圧迫型から露出スイッチ型に変更、これは圧迫型のスイッチ加工に1/100単位の
調整が必要で、高コストになる事と、御客様の「クリック感が欲しい」との意見を踏まえたものです。

そして何といっても特筆すべきはグラウィスです。当時のフラックシップを目指して製作されたこのモデルは、
パルス→常灯→消灯切換回路を実装、光量も格段にアップさせているというものでした。よくも開始から半年でここまで
漕ぎ着けたものだと思いますが、当時の池田の苦労は並大抵のものではありませんでした。

このような次第で始まったRID開発ですが、処々の実験を経て、平成18年春の東京ブレードショウにて初のお披露目
となりました。実験と試作の結果、赤LED1灯を標準、上位機種に白色LEDパルス発光モデルとし、駆動用バッテリーは
内蔵限界サイズのCR2032ないし1220、という事になりました。現行モデルと比較するとかなり暗いですが、開発当初は
フラッシュライトというより、夜間時のシグナルサイン用、という意図が強かった為、光量よりその透過性を重視した結果
でした。赤色LEDが主力なのはその為です。

つづく

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