タクティカルモデルを制作し始めた時から、今現在まで定番として残っている(しかもほぼ原形を保ったまま。)モデル
で、ここまで要素要素で纏まってしまうといじりようが無い、と言うか、このサイズで指孔付き、リカーブだとどうしても
デザイン的に似てしまう上に、新モデルに優越性を認められないので改変できないしいじりたくない、そんなジレンマ
をもったモデルです。素材的、制作法的には進化しているんですけどね。
いまだに人気が高く、ショウで売れ残った事は皆無で、同モデルのバックオーダーもかなりあったりします。                                 

カスタムナイフの御質問、御注文はこちらまで
nemotoknives@yahoo.co.jp


MONTHLY INTRODUCTION

八十一式 孤月

このページでは毎月1モデル、詳しい解説をまじえて紹介してゆく予定です。

上段向って左から
1. 孤月D型   孤月のダガーバージョン。CQB対応として設計、運用法が違う為、シースは順手対応になっており、
          指穴もクイックドロウの為の指掛け的な意味合いが強く、それに合わせてシースも穴出しとフルカバー
          の2種制作しております。

2
. 83式影月  孤月を更に小型化する意図でデザイン。最大の特徴は刃長を確保したままダウンサイジングする為指穴
          下方までエッジが伸びている点。その後小型化の際の基本的デザイン手法となりました。別モデルです
          が孤月のデザイン意匠を大きく受けたモデル。

3
. 閃月     別名が付いておりますが、正統な孤月のリデザインモデル。変更点はハンドルに対してブレードに角度を
          持たせている点。ブレードRの大きさ=研ぎやすさを生かしたまま、ポイントの喰い込みを強化したデザイン
          となっております。

4
. 閃月D型   同じく孤月D型の正統後継モデル。上の画像を見比べて頂ければ、指穴付近でブレードにアングルを持
           たせているのがお分かりになると思います。
下段向って左から 
5. 孤月(L)   ノーマルの孤月を若干大型化したもの。大型化したものは他に 孤月・エクステンデッド というモデルも有
           ったのですが、画像が発見できず。

6. 孤月(S)   同じく小型化したもの。サイズは影月とノーマルの中間あたりを狙ってデザインされております。

向って左から
1. 孤月-下弦   孤月を運用方法に分けてリデザインしたモデルで、“下弦”は逆手使用のもの。閃月よりもブレードの
            アングルは強くなり、エッジラインのRも小さく、全体的に大きく弧を描くデザインになっております。画像の
            チェッカリングハンドルは、当初制作の一本のみ。

2. 孤月-上弦  同じく運用方法によるリデザインで、“上弦”は順手使用のもの。その為下弦に比べて湾曲が少なく、
            比較的ストレートな印象に纏めてあります。ハンドル後方の2つの穴は、オプションパーツであるカラン
            ビットリングを取り付ける為のもの。

3
. 孤月-RID   孤月に、RID、LLCシリーズのLEDユニットを組み込んだもの。詳しくはこちらに。

4
. 孤月-RID 後方フラッシュ部アップ   


5.
 MEDG M3   これも元来は孤月ですが、フィードバックを経てほぼ別モデルになるまで変化しました。カランビット技術
             に対応できるようダブルリング仕様になっております。画像のバックエッジ付きはミリタリーモデル。


全長 173o
刃長 95o
5〜6mmD2鋼
ハンドル材 G10,カーボンファイバー等
総重量 90g

ナイフショウで更新遅れました、すいません・・・。旧知の常連さんに「月イチって無理があるんじゃ・・」
などと言われる始末。いや、まぁ、そうなんですが、マンスリーにしとかないと更新しない恐れがあるので。
で、第2回は、前回大物だったので小型の定番、「孤月シリーズ」を。

また、派生モデルが多いのも孤月の特徴です。既成モデルだけで十数種、フルオーダーも含めると更に多くの派生モデルが存在
します。スペシャルモデルも多く、ブレード材、ハンドル材も多種に渡って制作しました。ミラーフィニッシュでアイアンウッドハンドル、
というモデルもありました。今回は派生モデルの内、最近のものを数点ご紹介させていただきます。
(古いモデルは画像がないんです、申し訳ない。)

以上、今月は 81式 孤月 の御紹介と解説でした。
次回更新は
12月初旬予定です。
(・・・もうマンスリーと言える間隔じゃない・・・)

まだまだ有るんですが画像が無かったり、汚かったりでこのへんで。多分今後も微妙に進化し続けるモデルでしょう。2〜3試したい事が
有りますし。また制作記録が溜まったら第二弾をやってもよいかなと考えております。では。

当初ハーフセレーションがオプションでした。現在もセレーション付きで制作する場合がありますが、セレーション形状はこの写真のもの
では無く、効率のよいタイプになっております。エッジの後部のリブボーンノッチも、この頃から付け始めました。反面、指穴後方の細かい
サムスタッドは、滑り止め効果が薄い事と、その位置に滑り止めを施す意味がない事で、現在のモデルでは廃止しております。

ブレード厚は当初4mmでしたが、すぐ5oとなり、現在では6mmのモデルも制作しております。指穴のサイズも当初の20mmから
22mmになっております。これはグローブ使用時の運用性に指摘があった為と、当初逆手前提として小指が入るサイズで制作して
いたものが、順手使用例が意外に多かった事を受けての変更でした。又、リカーブが強調されておりますが、実は孤月の刃体R径
は意外に大きく、ほぼ直線といってもよいなだらかなRにデザインしております。ユーティリティーとして使用する場合や、研ぎやすさ
を考慮してのものですが、現在はリカーブ(鎌刃)ブレードの使用法について情報をえる機会に恵まれ、急Rの付いた孤月も制作して
おります。